炭坑記録画の数々
ヤマの暮らし

ヤマの大納屋
昭和42年3月

明治中期 ヤマの大納屋
あちらに二ヶ月こちらに三ヶ月と雲の如くに移動する独身坑夫ゲザイニンが多く従って着物も一枚持っておるのは良い方で中には昇坑するや入浴して褌フンドシだけで布団を肩にかけイロリ火瀘を前に酒を呑むものもおった。
酒嫌いはバクチをうつか小説を読むより他に娯楽はなく それもバクチは公休日以外は許さず 山にいって隠れてうっていた 公休日も月に一回で交換日ととなえていた 小説は貸本で一週一冊三銭明治丗八年頃からヤマにお目みえ 講談ものばかり 神田伯竜口演 丸山平次郎速記がハバをきかせていた 太閤記 赤穂義士伝 武勇伝など其他玉田王秀斉後には 村井玄斉村上浪六など旧新小説も出て明治末期には七日間五銭位になっていた
滝沢馬琴の里見八犬伝も人気があった。

<<前の記録画  次の記録画>>

<<前の10件 111213141516|17|181920| 次の10件>>

17/33