炭坑記録画の数々
坑内労働(仕繰)

仕繰方(先山 後山)
昭和39~42年頃

 明治中期のヤマ、シクリカタ。坑木は松材を用い、末口寸法に合わせる。高層には杉材もある。
仕繰方は採炭夫と同じ夫婦共稼ぎで、先山、後山のサシ(2人1組)である。大がかりな仕繰になると、男の後山も加わる。カネカタのような車道のある水平坑道で行われる。
女でもナル木ぐらいは鋸切りせねば、間にあわない。画は楔(カミサシ)を作る坑木である。
 枠は、堅い壁の部分に枠足を据えこむ。それをワクガマ(枠竈・枠釜)という。枠足の上部で梁と接合する部分をアゴシタ、梁の両端の切り欠きをエビジリと言う
 梁はカモイ(鴨居)とも言い、枠足を支える長いカスガイ(鎹)である。枠はカタ足に傾斜を多くして、フケ足は余り倒さない。梁は太い方をカタにする。

 ~おんな禁制 高野の山(高野山)に なぜにめ(雌)松が はえたやら ゴットン


※仕繰方  坑道保全のための修理を担当する者。
※末口寸法 丸太両端の切り口のうち、小さい方の径にあわせた寸法。
※カネカタ 曲片。捲卸から片盤の方向に、一定の間隔をおいて掘進する主要坑道。
※ナル木  成木。末口の小さい坑木。
※カタ足  肩足。左右壁の高い方の足。
※フケ足  深足。左右壁の低い方の足。
※カタ   肩。左右壁の高い方。

 次の記録画>>

1|2345678910| 次の10件>>

1/20