炭坑記録画の数々
世相あれこれ

絵の描き始め
昭和42年6月

私が絵描き始め 八歳 上三緒炭坑にて

 兜人形 弟の初節句より 明治三十三年旧五月五日節句男子の祝に飾ったもの
 土で固めた粗末なものだが色彩は美しかった(高さ四〇センチ以下)。私は加藤清正だけ描いた。他に源義経、虎を踏まえし裸の童子など、すべて鎧武者が多かった。
 これは初正月にも床飾りにしたが、ヤマの納屋には床がないままならべて祝うていた。自家に買わず他家よりの賜りものである。
 人形は腰かけ半立であった。清正の兜は九〇センチ、シブ紙であると言うが人形は顔位であった。

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