炭坑記録画の数々
世相あれこれ

ヤマ人の娯楽
昭和40年6月

 月に一度の交換日やサンニョウ日(給料日)、採炭休業日には、ノンベ(左党)は酒を持って集まって、大飲みして騒ぐ。博徒はこっそりと金のやり取りをする。
 ノンベ達は平素でもよく小宴を開く。博徒も然り。ヤマ人は宴会の際、盃を据えて回さないと函ナグレと称して、「オイ、こちらに函まわせ」と催促する。坑内で長時間配函を待つ辛さと、盃を待つのとは比較にならないが、面白いとんちである。現今もこの言葉を使っている。
 明治三十年代の座謡は、ストライキ、サノサ、ホーカイ、ヤッコラサ節が多く、踊りは、権兵衛が種まき、高いヤマ、ノーエ、カッポレくらいであった。

 ~権兵衛が種まきや 烏がセセクル 三度に一度は 追わねばなるまい 
ズンベラ ズンベラ ズンベラ



※交換日  月一回定期的に、炭坑の私製切符を現金に交換する日。
※左党   酒好きな人。

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