炭坑記録画の数々
世相あれこれ

大正天皇御即位式の賑わい
昭和41年4月

 大正四年十一月十日午後三時三〇分、国民こぞって宮城遥拝(きゅうじょうようはい)聖上陛下萬歳三唱。同十四日、儀式。同十六日、奉祝典。当時の飯塚町麻生上三緒坑は大瓢箪と盃、同系山内坑は宝船、上三緒村は御神楽、下三緒は神武天皇、柏ノ森は天ノ岩戸、各戸より飾り牛一頭ずつ。菰田は日本武尊、立岩、鯰田も神様にちなむ曳出物ずくめであった。飯塚町役場に集合し、等級賞を決めた。上三緒村が一等であった。

1 ~ぼんち かーわい ねんねしな 品川女郎衆が 十もんめ
     十もんめの鉄砲だま たまやがかわい スッポンポン スッポンポン
2 車やさん くるまやーさん ここから 飯塚まで なんぼとる
     大勉強で 十五銭 三銭まけちょけ(まけとけ)
 あかちょこべー(あっかんべえ)

 さても上三緒坑の竹骨紙胎黄色のデカイ(太い)瓢箪は、径3㍍、長さ5㍍ぐらいあって、町をひきずるのに苦労するぐらいであった。すべて(の人が)変装している中で、(炭坑の)職員たちのヤッコさん姿はひと際目立っていた。
注 昭和三年の今上陛下の祝典より大正の方が盛大であった。



※宮城遥拝 皇居に向かって敬礼すること。
※聖上陛下 大正天皇のこと。
※今上陛下 昭和天皇のこと。

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