炭坑記録画の数々
排水、通気

ポンプ方
昭和39~42年頃

 明治中期、ポンプ方。坪下(坑底)を第一ポンプ座、次を中段、または第二(中継)と言う。その下は数字をつけていく。坪下には大型ポンプを据え、相当な遠距離に水を押し揚げる。
明治後期にはエバンス・ポンプが登場し、能率をあげた。それまでのスペシャル・ポンプはつき止まりが多く、故障がたくさん出て、随分ポンプ方を悩ました。エバンスはエンジンのスライド改良だけでなく、オートル(吸器)も改善され、十吋(10インチ=25.4cm)以上はゴムバルブとなり、木製ローランに麻縄パッキングも不要になり、真鍮製、皮パッキングと変わって、ポンプ方を楽にして安全ならしめた。
麻生系炭坑のポンプはシリンダー径18吋(45.72cm)が最大であったが、大正6年頃の神の浦坑には24吋(60.96cm)があり、忠隈坑には70吋(177.8cm)のウォーシントン・ポンプがあった。いずれも坑底用である。

ポンプの本運転になれば、エキゾース(排蒸気)をサクションパイプ(吸引パイプ)につなぐ。それで坪下の水は六十度以上に熱いので、ポンプ方は、すっ裸で汗だく。



※ポンプ方 ポンプの運転や修繕をする人。
※ローラン パッキングをつくる部品の一種。

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