ヤマの鉱車事故
昭和42年4月

ヤマの鉱車事故

　本線巻卸坑道の炭函逆走、暴走とも言う。ヤマ人はハコが走ったと言う。頓智のよい人は西洋くらしと言うていた。東洋にあってはならぬ事故であるからであろう……。
　原因。ブレーキの故障、ロープ切れ、コース抜け、ねじれチン、たかピン、ピンヌケ、チン切れ、引鉄ドロバー折れ、押降し。
　坑ロハシリコミの急傾斜からの逆走が多く、百雷の音響、車輪とレールの摩擦で火花が散る花火の如し。坑道の枠を倒し折り、重なる破壊炭函は手もつけられない。これに出会えば命もとられる。レールの欠点又は片盤口一本剣の処で脱線する。

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