炭坑記録画の数々
災害、リンチ

重圧(2)と柱
昭和41年6月

明治 大正
重圧(ニ)と柱
 天井ジョウや盤が貢岩で膠いヤマは重圧がきても 一寸いとバレ墜落しないが 食い違いヶ処や断層ぎわなど危い。前兆として柱のカミサシ楔がパチパチと割裂け 柱はフシやヨワイ処からバリバリ折れる。 タテマエの悪い(傾斜に合わぬ打柱)のはゴトンとカタの方に倒れる。この場合どんなベテラン坑夫でも逃げねば危い。これが数十分又は何時間も続く事がある。ガックリ、食違いの処など早く退避せねば生埋めになる。ヤマ人は荷(ニ)が来たと言う。ニがおりあう(止む)と天井がさがったり 盤が膨れたりで低くなる。そのセイで切羽の炭も柔くなっておる。切羽よりもカイロに炭柱があると30㌢位炭壁が張り出して崩れかかっておる。ツルバシ不用ガンヅメで掻倒しウワメをくる。 

 ○タテマエの悪い柱。
傾斜バンガヤリより90度に合わせず。水平から直立しておらぬ。よどめき柱の事。

 ○ウワメくる。
採掘禁止の炭柱を盗掘したり、アトケン印や入枠などあらゆる作業上に於てゴマカス 不正手段を講ずる事。ヤマコトバでウワメは坑外夫のアブラウリより悪質である。
傾斜の角度に合わぬ柱はアテ(タヨリ)にすると大怪我のもとである。(タオレカヽル事モアル)赤印の如し。ニをもたぬ。素人先山がヨク打つ柱

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