炭坑記録画の数々
縁起、迷信、禁忌

芝剥り
昭和40年6月

 シバハグリ、開坑工事。炭層のヤケサキ(上部黒土)が露出していても、坑口工作に土木工事は要る。それを柴はぐり(芝剥ぐり)という。(炭層が)むき出していない所は、なおさら工事に手間をとる。山肌を削り、(削った土砂で)低地や谷を埋める。
 明治三十一年に開坑した嘉穂郡稲築村(終戦後、稲築町)の三井山野炭坑は、シバハグリの際、知らずに狐穴を埋めた。その狐がヤマを怨みヤマ人にあらゆる妨害をして、悩ましたことがあった。明治三十二年の夏の頃。



※ヤケサキ  焼けさき、焼け。地表に表れる炭層(露頭炭)で、炭分が酸化して見えず、酸化鉄の錆色が土に染まって赤く見えること。

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