炭坑記録画の数々
縁起、迷信、禁忌

ヤマと狐
昭和40年6月

ヤマと狐 (足を締める仕かけと大人は言うていた)
明治三十三年秋の頃K坑に狐とりの名人が現われた。そではわざわざ雇い入れたのではない 移動坑夫のおっさんで坑内からあがって山に行くと言う変りもので罠によって殺獲であった。夥たらしく獲ったと噂は高かった。それでもヤマから狐は絶えず明治の末 電化と共に附近の山林も切り払われ狐狸のスミカがなくなって自然消滅の形になった。 
しかしこのおっさんの罠の構造を知っておるものはおらず、私も知らず、おっさんが山に行って狐がワナにかかり未だ死にきれず苦しんでおるときは お丶狸を獲るのにお前がかかったかそれは残念な事と狐をだましていたらしい。

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