炭坑記録画の数々
縁起、迷信、禁忌

天狗の霊水5
昭和40年10月

明治丗六年 方言(化の皮が剥げた)、

 (むつ(ず)かしい文字)天網恢々疎(テンモウカイカイソ)ニシテ漏(モラ)ラサズ。(平語)悪盛んなるときは天に勝ち、天定まって悪に克つ。秋月の天狗霊水も官憲により 夏季飲料水の検査があって、酒樽を使用し 砂コシにして竹パイプやトイ(カケイ式)で流れ落ちる仕掛けがしてあるが一度沸かして飲まねば 危険とのお託宣(タクセン)が出た。神霊水でない事も証明された。これは神算綺語(シンサンキゴ)をめぐらす詐欺濮(インチキ)の謀略であって 前記、不具者(カタワ)快癒など サクラ(ゴマカシ)であった事まで暴露した。筑豊、否 福岡県人よりまきあげた、お賽(サイ)銭も莫大な額にのぼっていたと言う、しかし天狗より一枚上の神通力を以った男もサスガ官憲の法律には、かてなかったらしい。
ヤマの人だち、オーイ お前も参ったか、まいった処がクサ足がスクバッテ(痛(イタンデ)) 二、三日仕事を休んだヨ― おれは五日位休んだ、しかし酒の臭い少ししよったが アキ樽で コシ水していたチュウぢやねーか。

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