炭坑記録画の数々
墨絵

昔のヤマ人15(ボタコヅミ・充填)
昭和33~38年頃

ボタコヅミ

 これは直接支柱にはならないが、或程度圧縮されて役にたつ。太いボタで外側を四角に石垣を築き、内部に小ボタを充填する。松岩の多いヤマは岩だけで、岩工積をする処もあった。
 これも小ヤマには作らない。坑木はいらないが人夫賃が嵩むから。昭和時代になって払い切羽の「かねかた」ぎわなど主要部に積あげており、カタからのバレ硬うけにも利用していた。
 硬工積も仕繰方が念入りに造れば完全であるが、それ以外の下手や素人は外見だけ立派にする。積あげて内部の手を抜いたのは忽ち崩れて何の用もなさないのであった。又内部に打柱があれば取除けねば価値がない。

*仕繰方 作業に支障のないように、坑道や切羽などの修理作業を行なう人。
*打柱 天井を支えるのに施枠できないところは、笠木と呼ぶ短い木を天井と柱の間にT字形に当てて打ち込んでいた。

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