
炭車 チェーン ドロバー
昭和40年2月
明治、大正、昭和の炭車(炭函)、チェーン(結鎖)、ドロバー(引鉄)。巻揚中、炭車が逆走することがある。その際は、車輪とレールの接触で火花が散り、響音が激しい。その揚句に(炭車は)脱線して折り重なり、函は壊れてしまう。人がいれば、函と同じ状態になる。(炭車の逆走の)原因は、ネジピン、タカピン、ドロバー切れ、チェーン切れ、コース抜け、ロープ切れ、脱線によるピン抜けなどである。
チン(チェーン)の直径は、(明治7/8インチ、約22㍉)−(大正・昭和1インチ、約25.4㍉)が多く、材料はローモルという軟らかい丸鉄である。大正時代にはヨウキシャなどの軟鉄が出たが、ローモルが粘りが強かった。ワカシ(溶接)がよくきく。
(左)明治中期(の鎖の環は)わかしつぎ(溶接)。(鎖の環の短辺に継ぎ目がある)
明治後期(は鎖の環の長辺真中に継ぎ目がある)。
大正時代以降はとりだし(型からの取り出し?)、(鎖の環の)継ぎ目がない。
(真中)1 ネジピン(ねじれ)
2 タカピン、ツリピン(ピンが完全にはまっていない)
3 昭和十年ごろ、新案であったが実用しない。ピンを抜けばデボ(突起?)が引き込む仕掛け
4 昭和十年頃以降。
(右)ドロバーの種類。(炭車で)見えない取り付けボルト穴より切断することが多かった。ボルトは5/8(インチ、約16㍉)。
明治より大正、昭和時代の普通のドロバー。厚さ5/8(インチ、約16㍉)、幅3・1/2(インチ、約88㍉)の平鉄で、長さは五呎(フィート、約152㌢)ぐらいである。半㌧クラスの函につけていた。木製炭車などは、厚さ1/2(インチ、約13㍉)幅2・1/2(インチ、約63㍉)の平鉄を(ドロバーに)使用していた。
上(の絵のドロバーは)昭和十年ごろより大手ヤマで使用した。厚さ3/4(インチ、約19㍉)幅4吋(インチ、約101.5㍉)、(平鉄の)ボルト部分は倍の厚さで1・1/2(インチ、約38㍉)。チェーンは大小二個で、絶対ねじれない安全ドロバーだった。
※ドロバー ドローバー。炭車の背骨である引鉄。
※函 炭車のこと。
※タカピン ピンが炭車の金具にきちんと入っていない状態。
※コース 捲綱(ロープ)の先端に取り付けた、炭車連結用の金具。
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