炭坑記録画の数々
墨絵

昔のヤマ人4(殺害事件)
昭和33~38年頃
昔のヤマ人
これは芝居ではありません。実演であります。飯塚市(今の麻生農園)で明治四十一年五月廿七日午后三時頃、A系の山内炭坑での事件である。
一番ナヤの人グリ久保山良太郎(二八歳)が、同小ナヤの瓜生林太郎(二三歳)を怠けるからと労務室で殴いたので、それを怨んで瓜生が明日の入坑予約(小ナヤに伝票を配る)途中を後から追い、一尺三寸の日本刀で十一ヶ所も突いたり斬ったりして殺害した。
山内炭坑は平和なヤマで殺傷沙汰は初めてで皆驚いたのは言うまでもない。男の意地とは云乍ら。瓜生は血刀提て飯塚警察署に自首し、渡辺検事の取り調べがあり、後、故殺罪で懲役十二年、三池炭坑の監獄に送られた。
身長五尺八寸の美男子久保山は現世から抹消され、五尺二寸の瓜生は生地獄に封ぜられ、数年後出獄し間もなく病死した。喧嘩ほど馬鹿げた事はあるまい。
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