炭坑記録画の数々
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電気係職員の感電死
昭和33~38年頃

昭和十六年五月六日午前八時頃 嗚呼電気係の古賀政喜氏が殉職された 本坑左三片 巻卸口 変圧器据替中の珍事 機械夫の甘草某とトランスを担ぎあげた瞬間に感電死された。余りにも晴天のヘキレキ的の凶変に只驚き且つ嘆(ナゲ)き落胆失想 何とも言い様のない悲しみにつつまれた。
古賀氏は海軍兵で容貌体格共立派な快男児であり 又位登炭坑の重要人物でもあり 電気係職員で自らペンチを放さぬ毎日の勤働でありヤマの宝であった

感電死の原因 
天井が低く四尺七、八寸 横も狭かった あたりに裸線はないがダルマ スイッチの取付口が何れも少し出ていた。それに重荷を担い立つハズミに触れたのであるらしいのー
連日水に追われる本坑内はキカイやデンキ関係者は憩いの間もなき明暮れであり 前夜も徹夜で不眠の上 心身共に極度に労れておられたそうである 

翌々 八日弓削田の慈光寺で坑葬が施行され 所長は涙をのんで弔辞を読まれ 次いで解后の花と噂さの美しい未亡人の焼香があり おえつ(嗚咽)の声に誘われて なみいる会葬者又ここに瞼をあつくしたのであった 思えば三月十三日に入職され わずかに二ヶ月間であり、人の命のはかなさをつくづく考えさせられた。

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