炭坑記録画の数々
ヤマの暮らし

坑夫の住宅(納屋)
昭和40年8月

明治時代 坑夫の住宅 納屋

 一 麻生太吉氏のヤマK坑 棟割長屋十戸、九尺二間、畳四帖半(この種の家は麻生ばかりでない)。押入れなし天井ナシ炊事場なし、二メートル位の土壁で区切り、畳下床はワリ竹を縄であんだもの。畳も豆の漏る様な表で縁もない。屋根は小板(ヘギ)又は藁。
 二 三井山野坑 棟割りではないが四帖半、四尺五寸の押入れがあり土間もK坑より少し広い。屋根はカワラが多かった(この種の家は良の方)。
 三 三菱鴨生坑 六帖ヒトマ、六尺押入れ、土間も広い。三菱坑は住宅に限らず、総て整頓掃除が行き届き清潔であった。朝鮮人のおるヤマとは言えない位であった。
 四 八幡製鉄二瀬出張所中央坑 抑も明治四十三年に開坑したので、前記の納屋より一歩進んでいたが、親方日の丸の割りに窮屈な住宅であった。
 住友忠隈坑の大ヤマでも四帖半、六帖で藁葺もあった。尤も明治二十七年前、麻生氏の建てた家もあったと思う。

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